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​哲学対話とは何か

哲学対話とは、ファシリテーターという進行役のもと、1つの問いに対し10人ほどで「問い、考え、語り、聞く」という「共に考える」ことをします。

普段私たちは役柄や他人や社会や学校などを意識してその場に相応しくあろうとしますが、自分の考えを自由に発言することは出来ないと思います。

しかし、哲学対話では、いつもは当たり前で考えないような事柄を疑い、社会や学校や家族などの「他人」や本やネットや著名人による「知識」ではなく、紛れもない「自分」がどう思うか?を自由に考えます。

何を言ってもいい、否定してはいけない、話さなくてもいい、など自由に話すためのルールがあり、自由に話すための場が保証されています。

哲学対話の最大のポイントは、年齢や性別や役柄関係なく誰もが対等に話せ、率直に自分の意見が言え、誰でも参加できるといった、当事者性・多様性・共同性が創出される点です。

新しい価値観や、「自分の当たり前は当たり前ではない」ということの発見によって、人生の視野が広がります!

ぜひ、一緒に哲学対話しませんか?

※新型コロナウイルスの影響で当面はzoom開催とさせて頂きます。​

哲学対話の進め方

0.対話を始める前に

同じ人が集まらないように5人~15人ほどでグループを組みます。

机を使わず小さな輪になって座りお互いに向き合います。

1.哲学対話の説明(5分)

哲学対話について簡単に説明します。

哲学=対話であり、みんなで「問い、考え、語り、聞く」ことを大切にするため、議論やディベート、話し合いではありません。

2.アイスブレイク(15分)

哲学対話では、アイスブレイクとして①質問ゲームや②自己紹介をします。

①質問ゲーム

4人~5人で1組になり、1人は質問に答える役、他の人はその人に質問する役として簡単な問答を繰り返します。はじめの問いに答えたらなんでもいいのでどんどん問答を進めます。

例「朝ごはん何を食べた?」「魔法が使えたら何をする?」

②自己紹介

所属や年齢や仕事ではなく、簡単な1つの問いに各自が答えと理由を言います。

例「好きな食べ物は?」「休日はどう過ごす?」

3.問いを出す(30分)

テーマに対して参加者で「問い」を出していきます。私たちは「問い」によって考えることができます。

問いは必ず疑問形で終わるようにします。

テーマが決まってない場合は身近な問いに対して1から出し合いますが、テーマが決まっている場合や本や映像などの題材がある場合は、それに関する問いを出し合います。

出し切ったら、多数決で一つだけみんなで話し合う問いを決めます。自分の問いが選ばれなくても、問いの共有によって参加者の考え方や価値観などを知れるので、問い出し自体に意味があります。

例「個性って本当に大切?」「大人と子どもの違いはなんだろう?」

4.ルールの確認(5分)

哲学対話では自由に発言をするための「ルール」を参加者全員と共有します。

Camimでは以下の10個をルールとします。

1.何を言ってもいい。

2.人の発言に否定的な態度をとらない。

3.黙って聞いているだけでもいい。

4.お互いに質問をする。

5.知識ではなく自分の経験にそくして話す。

6.話がまとまらなくていい。

7.意見が変わってもいい。

8.わからなくなってもいい。

9.対話の場を独り占めせずにみんなで話す。

10.急がずじっくり考える。

また、対面の場だとコミュニティボールと呼ばれるボールを用います。ボールを持っている人のみが話せ、持っていない人は黙って聞いています。ボールを持っている間はゆっくり時間をかけて話せます。話したい人は手を挙げてボールを受け取ってから話し、話し終わったら次に手を挙げている人にボールを渡します。

5.対話(40分~60分)

4のルールに沿って、参加者全員で哲学対話をします。進行役であるファシリテーターはあくまでも参加者であり、他人任せにせずに「自分」で考えていきます。

言葉の意味を明確にしたり理由や根拠を考えたり具体的に考えたり反対の事例を出してみたり関係を問いたり要約したり5W1Hで問いたり…

ポイントは時間や空間や主体の移動や小さな問いから大きな問いへの移動など問いに問いを重ねることです。

ゆっくりじっくり考えていきましょう(*^-^*)

6.振り返り(10分)

対話では結論を出さないので、「もっと話したかった」ともやもやすることがあります。無駄に伸ばしたりせずに帰ってから自分で考えるためにもやもやはお土産にしましょう。

参考文献

・梶谷真司「考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門」 幻冬舎新書2018年

・河野哲也「人は語り続けるとき、考えていない 対話と思考の哲学」 岩波新書 2019年

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